- 尉繚(ウツリョウ)【文官】
- 秦の臣。大梁の人。
B.C.237秦に赴き、秦王政に「秦の力は強大ですが、六国が合同して出てくると油断ができません。願わくは大王には、財物をおしまれることなく、
諸侯の豪臣に賂して、合従のはかりごとを乱されますように。費やすところは30万金です」と説いた。
秦王政は尉繚の進言に従い、尉繚を自分と対等の礼をもって待遇し、衣服や飲食も同じようにした。
尉繚は「秦王は人となり、鼻が高く目が長く、鷹のように胸が突き出て、豹のような声をし、残忍で虎狼のような心をもっている。困窮した時には人に卑下するが、
得意な時には平気で人をあしらう。
わたしは一介の布衣の身だが、秦王は常に自らわたしにへりくだっている。もしも秦王に天下の志を得させたら、天下の者はみな秦王の奴隷となろう。
いっしょに長く付き合える人物ではない」と言い、秦を逃げ出そうとしたが、秦王政は固くこれを引きとめ、秦国の尉として彼の計策を用い、
李斯がそれに従った。
|