列伝 ヤ
- 冶区夫(ﾔｵｳﾌ)【文官】
- 魯の臣。
B.C.529春、叔弓が、南蒯が叛乱を起こしている費を攻め囲んだが、 勝つことができなかった。季平子は怒って費の人を見つけたら捕らえるよう命令したが、 冶区夫は「それは礼に背いています。逆に費の人を親しんだら、南氏は滅びましょう」と諌めたため、季平子はこれに従った。はたして費の人は南氏に背いた。
- 冶廑(ﾔｷﾝ)【文官】
- 衛の臣。
B.C.630衛成公が冶廑と周歂に賄賂を贈って「わたしを衛に入れてくれたら、 あなた方を卿にしよう」と言った。 そこで冶廑と周歂は元咺と公子瑕と子儀を殺して、 成公を迎え入れた。
冶廑と周歂はすでに卿の服を着て、廟で任命を受けるため、まず周歂が廟に入り、廟門のところまで行くと、急病にかかって死んだ。
これを見た冶廑は恐れて卿になることを辞退した。 - 薬何(ﾔｸｶ)【武官】
- 西南非漢族であるク忍の人。
蜀で白虎が暴れまわって人々に害を与えていた。
薬何は廖仲・秦精らとともに、白竹の大弓を作り、虎を射て三本の矢を虎の頭に命中させた。 白虎は怒り狂って他の虎を全て殺し、一声大きく吼えて死んだ。
秦昭襄王は万家の領地を与えようとしたが、薬何が非漢族であったため、薬何の名を石に彫り付け、薬何の部族の税を免じた。
- 野老(ﾔﾛｳ)【神】
- 古代の思想家。農家。
野老は土地の効果的な利用により国を治めよと主張した。
野老は『野老』17編を著したという。
もともと野老とは、農耕に従事する人という意味であり、それが固有名詞となったとされる。
